四柱推命旺

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安倍晋三さんの命式解命と歳運解説~安倍さんの忌は常に【寅】【午】にあり

今回は先日急逝された元首相、安倍晋三さんの先天運解読を行いたいと思います。

虎の舞の方でも少し解説しましたが、安倍さんは先天運位相は比較的高めであるものの、姓名位相(姓名の運勢)が非常に低いためとても惜しいと感じます。もし姓名位相がもう少し高ければ必ず長寿となる命運であることは、今日の先天運解読を読んでいただければ理解いただけると思います。

なお安倍さんの命式は特に解読の難しい、難易度の高いものですので、少し意識して読まれることをお願い致します。私の方でも細心の注意を払って解説をしますが、時間の関係で少し早足となることはご理解をお願い致します。おそらく、日本の95%以上の占い師(四柱推命家)が判断を間違えるであろう命造ですので、勉強には大変役立つと思います。

安倍晋三さんの命式~時差わずか数分で全く別の運勢となること

早速安倍さんの命造を見ていきましょう。安倍さんが生まれた時刻は以下のページに記載してあり、これを元に命式を取ります。

【出生時間の分かる有名人まとめWiki】

天干
地支

以上が安倍さんの命式です。出生時間は2時35分とあり、この時の東京都の時差を考慮すると真太陽時は3時1分【戊寅】となるのです。ですから、これを時間通りの刻である【丁丑】と取ると既に命運が分からない(間違ってしまう)ということになり、非常に注意すべき点です。

ただ、やはり本当に2時35分の生まれなのか?という点については疑問をもたれる方もいると思いますが、これについては今日大運と事象を追うことで解決されることと思います。

早速ですが、安倍さんの場合は四柱構造が明らかとなっていますので、原局の解命を行っていきます。その後、安倍さんの命式解命における注意点などを解説したいと思います。

  • 日干:庚金
  • 日干強弱:身弱(平~小弱程度)
  • 用神:己土(きど)
  • 喜神:土・金
  • 忌神:火・木
  • 閑神:水
  • 調候:丙火(良好)
  • 位相:中の上(70点程度):五行具備、気勢流通、調候良し。しかし、辰・酉支合するため日干弱となり、この分マイナス

以上が安倍さんの命式解命結果となります。この時点で、おそらく普通の四柱推命家であれば驚かれると思いますが、日干身弱です。この点を間違えますと、大運を追うことも運勢を知ることもできませんので、まずは日干強弱の見方を少し解説致します。

安倍さんの日干強弱について

安倍さんの日干強弱については、原局の五行をそのまま取ると身強となります。なぜなら、日干が月令を得ていますし、辰土も日支にあり、自旺しているためです。以下のページは、虎の舞のものですが、ここで原局の五行力量をご確認ください。当然旺の金(比劫)が最強となっています。

安倍晋三さんの命造

しかしながら、地支の辰と酉は合去します。天干は庚・癸ですので、辰・酉は支合できません。したがってこれは合去とみなし、金のエネルギー-10程度、土のエネルギー-3程度となり、原局における日干強弱は身弱と判断せざるを得ないのです。

ただこのように合去して日干が身弱となる命式を読む上で難しい点は、やはり合去が解けると原局に辰・酉が戻るため、日干が身強へと転じる点です。したがって、安倍さんはあくでも『原局においては身弱』という判断であり、歳運動向によっては身強となることもあるということを頭に入れておく必要があるのです。

それで、ではどのような地支が巡ると支合が解けて日干身強になるのか?ということですが、これは丑・卯・辰・巳・酉・戌の6つです。こういった作用は、合・冲の法則を理解していないと判断が難しいですし、これ以上踏み込むと解説も複雑となってしまうため、ここでは安倍さんは日干が身強へと転じることもあるという点だけ覚えておいてください。

大運を読む~寅・午を忌む理由

事件が起きた時刻における運勢については後ほど解説しますが、安倍さんは寅と午を最も忌みます。これは以前も解説しましたが、地支に寅と午を二つもつ人は、寅と午のどちらかが歳運に巡ることによって火が大過することに注意すべきということと同じです。

寅・午の半合による火の大過は、たとえば最近亡くなられた神田沙也加さんなど。そして安倍さんも、寅と午を地支にもっています。

ちなみに戌は寅・午と結託して火の三合を形成する地支ですが、安倍さんは日支に辰をもっているため合去が戻り火の三合は起きません。ここは大変重要なポイントです。つまり、戌は喜であるということです。

さて、これは他の五行にも言えることですので、その組み合わせを書いておきます。

  • 地支に亥と卯がある人は、木の大過に注意(木が大過しやすい)
  • 地支に寅と午がある人は、火の大過に注意(火が大過しやすい)
  • 地支に丑と酉がある人は、金の大過に注意(金が大過しやすい)
  • 地支に申と子がある人は、水の大過に注意(水が大過しやすい)

ということになります。つまり安倍さんの場合は、地支に寅と午があり、そこへ寅もしくは午が訪れることによって【寅・午・寅】もしくは【午・寅・午】の火局半合が完成し、火の官が大過して、日干の庚金が火に剋されて過弱に陥るから病気や災難に注意すべき、という運勢となるのです。

ちなみに卯は木でも、安倍さんの場合は寅とは全く作用が異なります。卯は合去した酉と作用するため、辰・酉の支合を解きます。そして日干が身強となった上での財の木は喜神となるため、卯を忌むことはないのです(ただし、そこへ寅や午が来ると良くない)。これは、安倍さんが第二次安倍政権を率いた時が大運・卯だったことからも、喜の地支であることがよく分かります。

しかし、このようなことは実際の歳運の動きと合わせてみなければ納得もいかないと思いますので、安倍さんの経歴・事象と照らし合わせ、本当に寅や午を忌むのかを見てみましょう。安倍さんは2000年~から大運が寅の運期に入りました。

2000年~大運【戊寅】

この大運は地支に寅が巡ります。寅は辰・酉の支合を解きません。同時に、寅・午・寅による火局半合を形成するため、大変火の強い運勢となります。火の力量ですが、木旺ですので火はこの地支だけで24(4 x 6)となり、この時日干の力量は5程度ですので、明らかに官の火が大過していることが分かるでしょう。

しかしより複雑なことは、安倍さんの命造のように合去がある場合、流年運によっても合去が戻る可能姓があるため、大運が寅だからと言って全ての流年で凶となるわけはないのです。実際は、先ほども解説したように丑・卯・辰・巳・酉・戌などが巡ると日干身強へと傾きますし、未や申なども日干を援助しますので、流年の動向もあわせて読むという大変緻密な読み方が必要となります。

なおここからの引用部分【】は、すべてこちらのウィキペディアの記事から引用しております。

そこで2000年~2010年の大運の間では、

  • 【2003年9月、衆議院解散を控える中で自民党の選挙の顔となる幹事長である山崎拓の性的なスキャンダルが持ち上がったため、小泉は後任幹事長として安倍を抜擢した。(流年地支・未、日干は未土の生助を受け喜、9月は金の生助もあり運気良し)】
  • 【2005年10月31日付で発足した第3次小泉改造内閣で内閣官房長官として初入閣。2006年9月1日に総裁選への出馬を表明。憲法改正や教育改革、庶民増税を極力控えた財政健全化、小泉政権の聖域なき構造改革に引き続き取り組む方針を示す。(2005年は地支に酉金巡り身強となる、続く2006年も戌土が巡り日干を生助)】
  • 【2005年10月31日付で発足した第3次小泉改造内閣で内閣官房長官として初入閣。2006年9月1日に総裁選への出馬を表明。憲法改正や教育改革、庶民増税を極力控えた財政健全化、小泉政権の聖域なき構造改革に引き続き取り組む方針を示す。(2005年は地支に酉金巡り身強となる、続く2006年も戌土が巡り日干を生助)】
  • 【2007年9月12日午後2時、「内閣総理大臣及び自由民主党総裁を辞する」と退陣を表明する記者会見を急遽行った。また、理由についてはテロとの戦いを継続する上では自ら辞任するべきと判断したとした。これにより同日予定されていた衆議院本会議の代表質問は中止となった。翌日(9月13日)、慶應義塾大学病院に緊急入院。検査の結果、胃腸機能異常の所見が見られ、かなりの衰弱状態にあると医師団が発表した。(2007年の流年は『丁亥』水運。亥は合去を解かず、大運の寅を生じ強めるため、日干が過弱に陥って体調が悪化します。胃は土であり、土の不及を示しています)】

長くなるため次へいきたいと思います。安倍さんは、2010年から【己卯】の大運に入りました。天干の己は喜神ですし、卯は辰・酉合去を解くため、日干が身強となる大運です。

  • 【2012年12月16日の第46回衆議院議員総選挙で自民党が圧勝し、政権与党に復帰。同年12月26日、安倍が第96代内閣総理大臣に選出され、第2次安倍内閣が発足した。1度辞任した内閣総理大臣の再就任は、戦後では吉田茂以来2人目である。(2012年『壬辰』。日干は非常に強い状態であり、運気も旺盛です)】
  • 【任期満了に伴う2016年7月10日の第24回参議院議員通常選挙では、北海道・東北地方・信越地方・沖縄県で苦戦したものの、前回を上回る議席を獲得した。安倍はこの結果を受けて、アベノミクスが信任を得たものと主張した。(2016年は『丙申』金運。日干強く運勢も良好)】
  • 【2018年10月2日に内閣改造を行い、第4次安倍第1次改造内閣が発足。これにより通算組閣回数は10回となり、それまで最多だった大叔父の佐藤栄作(9回)を抜き歴代最多となった。(2018年は『戊戌』日干非常に強く、官の火が喜神となるため地位・名誉安定。このことからも、戌を喜ぶことが分かる)】

以上の事実から、安倍さんの喜神が土・金であるということは明らかです。そして日干が強へと転じると、今度は財の木や官の火を喜ぶという良命なのです。最後に、死亡した時刻の四柱構造を読み、さらに理解を深めていきましょう。

安倍さんが銃撃された時刻の四柱

おそらく一般的な四柱推命家であれば、『日干が強い安倍さんの忌神は土と金であり、現在の大運に【庚辰】が巡っているから忌神が大過して死亡した』という安易な判断になると思います。

しかしこれは、安倍さんが銃撃された時刻の大運や四柱構造を子細に読むことで間違った判断であるということが判然とします。

以下は、安倍さんが銃撃された『2022年(令和4年)7月8日11時31分ごろ』の四柱(奈良時間)です。

天干
地支

この時の四柱に注目してすぐに分かる事は、地支に寅・午・戌の三合が揃っているという点です。そして火を制する壬が丙と丁が隣り合って無力となっている点も見逃せません。一見すると土の力量が強いようにも見えますが、未は火旺ですので、実際の力量は以下となります。

  • 木:3.0
  • 火:33.3
  • 土:8.0
  • 金:0.3
  • 水:4.0

このようになっており、明らかに火が大過しているのです。それに、もし土が大過して死亡したのであれば、安倍さんがあのような死に方をしたのは不自然です。なぜなら、火は『血』を象徴する五行だからです。

さらに、大運は【庚辰】であるものの、辰は木旺運です。このため、土は大過していないのです。木旺運では、木旺・火相・土死・金囚・水休であり、土は最弱です。

したがって、安倍さんの死亡は四柱推命的には『官(火)の大過によって日干が過弱に陥った』と結論づけることができます。

ちなみに官が大過する場合の忌象は他にも色々あり、当然のことながら殺されるとは限りません。時に多いのは、病気や事故災難に遭遇するというものですが、要は『官が大過することで日干が過弱に陥るため、生命に危険がある』ということなのです。災難や死に方は色々です。

なお、安倍さんの運勢は姓名も大きく関係していることに注意してください。安倍さんの姓名には三つの水と一つの火、そして土が天格に一つですが、喜神のエネルギーが大変弱いため生命力が歳を経る毎徐々に徐々に低下していったことが分かります。

ですからもし安倍さんの姓名において土・金が活きていれば、長寿となるはずだったのです。非常に惜しいです。