四柱推命旺

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従旺格の用神・喜神・忌神の見極め方

今回は従旺格の用神・喜神・忌神の見極め方について解説していきたいと思います。まずは従旺格の特徴についておさらいしておきましょう。

  • 日干が月令を得ていること
  • 日干が極旺状態(印・比劫が必ず存在すること)であること
  • 命式に官がないこと

などが従旺格の簡単な特徴であります。当たり前のことではありますが、従旺格の用神を取得する以前に、従旺格か否かの判断ができなくてはいけませんので、従旺格がどのようなものかよく分からないという方は、先に以下の記事をお読みいただくことをおすすめ致します。

【従旺格(じゅうおうかく)の成立条件】

従旺格の用神は?

まずは従旺格の用神についてですが、これは「比劫の陽干」となります。普通格局と比べ、従旺格の場合は命式の様相に関わらず「比劫の陽干」が用神となりますので、覚えるのはとても簡単です。

従旺格では、必ず日干が月令を得ていることが条件となります。つまり従旺格では、月支の本気は必ず比劫となるわけですので、「従旺格では必ず月支が司令する五行の陽干が用神」となります。

どういうことかと言いますと、たとえば日干・丙火の従旺格では、月支は必ず巳か午か未(火旺)となります。巳・午・未(火旺)生まれの場合は、必ず日干にとって丙火か丁火の比劫が司令することになりますが、このうち従旺格の用神となるのは常に「丙火(比劫の陽干)」であるということです。

従旺格の用神取得実例

説明だけでは分かりにくいと思いますので、以下に従旺格の命式を示し、実際に用神を取りたいと思います。

以下はタレントの石橋貴明さんの命式です。ネット上の情報なので真偽は不明ですが、もし以下の時刻生まれであれば従旺格となる命です。ソースはリンクとして示しています。

石橋貴明 さん(男性)1961年10月22日09時10分、東京都葛飾区生まれ

天干
地支戌(土旺)

石橋さんの命式においては、日干が月令を得ること、印が必ずあり日干が極旺状態であること、そして官が一つもないこと、という従旺格の成立条件を全て満たしているため、従旺格と判断できます。

地支には日干と相剋する子水、また天干・地支には金の干もあらわれていますが、従旺格の成立条件を妨げるものではありません。地支には巳・戌・丑と日干を生助し、天干にも丁・戊とありますので、日干は極めて強い状態です。

さて用神ですが、先ほども言ったように比劫の陽干を取ります。月支・戌の蔵干・本気は戊ですが、これが日干・戊にとっては比劫の陽干ですので、石橋さんの用神は戊土であることが分かります。つまり、従旺格の命にとっては、比劫の陽干が運勢や生命力を活かす要となります。

このように、従旺格の用神は非常に分かりやすいです。しかし、喜神・忌神についてはどうでしょうか?従旺格の喜神・忌神の取り方は普通格局と比べて変則的となりますので、以下の解説を注意してお読みください。

従旺格の喜神・忌神は?

よく四柱推命の書籍等を読むと、従旺格の喜神は比劫・印・食傷、忌神は官と財と書かれていることが多くあります。これは恐らく、『従旺格では旺神を喜神とするのだから、忌神は旺神と相剋する五行になるだろう』という考えからきています。

つまり普通格局では、命式による揺らぎはやはりあるものの、概して身強の場合は食傷・財・官が喜神で印・比劫が忌神、身弱の場合は印・比劫が喜神で食傷・財・官が忌神となる、ということから、従旺格についてもそのような理屈が当てはまるのだろう、ということです。

しかし従旺格については、食傷が喜神となります。これも従旺格では原則的なものであり、『旺神は洩らすがよろし』という古くからの教えに基づいています。しかし普通格局では食傷と印と比劫が同時に喜神となることはあり得ません(食傷は印を剋すためです)。ということは、この時点で従旺格と普通格局の論理は全く異なる、ということが明らかなのです。

結論から説明すると、従旺格の喜神は印・比劫・食傷・財の四つであり、忌神は官のみとなります。従旺格の喜神として、印・比劫・食傷と考えていた人は、ここで財が出てきたことに驚くかもしれません。なぜなら、財は日干と相剋(そして印を剋す)するため、従旺の状態を弱めてしまうからです。

しかし、先ほど示した石橋さんの命式のように、実際はむしろ従旺格の人は財があるほうが貴命となり、財運にも大きく恵まれる暗示があります。石橋さんは従旺格でありながらも、天干地支に食傷をもち、また地支に財の子水をもつため、食傷生財となっていました。これは従旺格の中でも貴の傾向性ある先天運と言えるのです。

余談ですが、最近石橋貴明さんはYouTubeに自分のチャンネルをもち、かなり人気のようです。YouTubeを始めたのは【庚子】の水の流年運ですから、財の水が喜神であることがこのことからも分かるでしょう。これは普通格局でも同じですが、食傷・財が喜神であり、なおかつ命式が食傷生財である人は、お金儲けがうまい人です。

ただしもちろん命式が良くとも、喜の大運を巡らなければ波乱は免れません。次は破格ということについて少しだけ解説致します。

運命大波乱の兆し、破格とは何か?

従格において、その成立条件を崩す干支が大運や流年運に巡ってきた時に、格が破られることを『破格』と言います。従旺格については、官が破格を引き起こす干となります。ただし、破格を引き起こす干支が巡ってきたとしても、合・冲が起こることによって、破格とはならないことがあります。

石橋さんの場合は、木の官が忌神ですから、地支に辰(木旺)・寅・卯が巡ると命式が破局となります。従旺格の命式が破局となることは大忌であるとされ、運勢浮沈激しく、運命が大きな波乱変動に脅かされることになります。

破格については、大運や流年運の読み方の項でまた解説したいと思います。