四柱推命旺

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日干の身強・身弱の判断方法~五行の力量測定編1

日干の身強・身弱の判断方法~基礎編につづきまして、今回は日干の強弱を導き出すための土台となる「五行の力量測定」について解説していきます。

日干の強弱を導き出すためには、四柱八字の五行エネルギーを正しく見極めることが必要です。このため、日干の強弱を正しく導き出すためには、八字五行の力量を数値化するということが不可欠になるのです。

私も四柱推命を学びはじめた頃は、日干の強弱判断を曖昧な方法で行なっていたため、正しく導き出すことができませんでした。比劫大過・印大過のような分かりやすい命式なら間違えることはそうありませんが、ちょっと微妙な命式となると判断に迷いを生じてしまうという始末だったのです。

ところで現在も多くの四柱推命の書籍において、大変重要な「日干の強弱判断」が曖昧な方法で語られています。これは前回の基礎編でも語ったことですが、そのような曖昧な方法では常に正しく日干の強弱を見極めることはできず、必ずと言っていいほどどこかで誤りを生じることになるのです。

曖昧な方法とはつまり、「五行別にきちんと数値化せず、直感や経験で主観的に判断すること」を言います。もちろんこのような方法でも、経験を積んだ占い師であれば高い確率で日干の強弱を見極められる可能性はありますが、大半の命式が「微妙な命式」に属するのです。そして日干の強さがプラスマイナス2程度など微妙な命式については、主観的な偏った判断になり、結果誤りを生じてしまうということになるのです。

つまりそれは何を意味するのかと言うと、驚かれるかもしれませんが、「世の中の推命家の多くが正しく日干の強弱を判断することができない」ということを物語っているのです。そしてそれが事実なのです。

ですから日干の強弱を正しく導き出すためには、「命式内の五行の力量を数値化する」ということが極めて重要と言えます。

五行の数値測定方法

私も日干の強弱判断について随分と悩んだ時期があり、そんな時に出会ったのが武田考玄氏の「五行の仮数測定法」でした。はじめは半信半疑だったものの、自分や周囲の人間をその方法にならって鑑ていくにつれ、この方法の正しさが理解できました。

すなわち、それまでは日干の強弱と事象が合致せずにいたものが、この「五行の仮数測定法」によって日干の正確な力量が把握できるようになると、それによって喜神・忌神が正確に導き出せるようになり、ひいては解命結果が事象と合致するようになったのです。

ここから解説する「五行の力量測定方法」は、武田氏の手法である「五行の仮数測定法」と基本的には同じ理論に基づいています。それでは次は、具体的な算出方法について見ていきましょう。

五行の数値測定方法の要点~旺相死囚休の理

日干の強弱判断についての最たる間違いの元は、四柱八字の基本的な五行エネルギーをすべて同一と捉え、計算してしまうことです。以下の命式をご覧ください。

時柱日柱月柱年柱
己(土)庚(金)己(土)庚(金)
卯(木)子(水)亥(水)酉(金)

以上の命式ですが、これを基本的な五行エネルギーをすべて同一として見てしまうと、最も数が多い金が最強と判断する可能性があります。さらに命式には己土が二干もあるため、それも金が最強と判断する材料となるでしょう。

しかし実際は、最強であるのは水です。この理を解く秘密が、四柱推命の根底的な理論である「旺相死囚休」にあります。「旺相死囚休」の基本については、【旺相死囚休とはなにか】という記事で語っていますのでこちらをご覧ください。

つまり、以上の命式は月支が亥であり、水旺です。また金は水にエネルギーを奪われ休令。土は水を剋すため囚令。そして火は水に剋されるため最も弱い死令、木は水に生じられるため相令というように、生まれた季節によって基本の五行エネルギーは同一とはならないため、その理を反映させる必要があるのです。

さて、旺相死囚休別の力量を数値化すると以下のようになります。

5 4 1 2 3

最も力量が強い「旺」が5、次いで「相」が4というように、五行の5種ある相生・相剋関係から5つに分類できます。とてもシンプルですが、旺相死囚休の力量をあらわす、とても理にかなった数値です。

次に以上の数値を、命式の月支にしたがい、それぞれの旺相死囚休にあわせます。具体的には、亥月水旺の生まれであれば水旺・木相・火死・土囚・金休、午月火旺の生まれであれば火旺・土相・金死・水囚・木休という具合です。

そして、以上の数値を命式内の五行に掛け合わせることによって、命式内の正確な五行エネルギーが導き出せるというわけです。

五行の数値測定方法~天干と地支の力量の差について

それでは実際に測定してみましょう、と言いたいところですが、しかしその前に確認しなければならないことがあります。

それは「天干と地支の力量はそもそも同一ではない」ということです。つまり天干はその名のとおり甲、乙などそれぞれが一干によって成り立っていますが、地支は複数の蔵干によって成り立っているため、天干と地支のエネルギーを同一と見て計算することはできないのです。

つまり、先程の命式において地支の本気だけを見て水が2つだから2(干の数)x5(旺)で10の力量があるとやってしまうと、これも誤りを生じることになります。

天干1に対して、地支には2の力量がある

地支は最低でも2つの蔵干を含むわけですから、最低でも2倍以上の力量をもつと考えなければいけません。地支には蔵干を2~3つ含むものがありますが、旺となる地支(卯・午・酉・子)はすべて2つずつ干をもつことから、「天干1に対して、地支には2の力量がある」と考えるのが妥当です。

このため天干には1、地支には2の力量を与えて計算をします。

五行の数値測定方法~天干の力量

それでは先程の命式を元に五行の力量を計算してみましょう。しかし、天干と地支を同時にやるとややこしくなりますので、まずは天干の力量のみ出してみます。命式は水旺のため、旺相死囚休の仮数は以下のようになります。

水(旺)5
木(相)4
火(死)1
土(囚)2
金(休)3

そして天干は基本的に一干で成り立っていますので、天干一つの力量を「1」として、それに上記の仮数を掛ければいいのです。

時柱日柱月柱年柱
卯(乙・甲)子(癸・壬)亥(壬・甲・戊)酉(辛・庚)

それでは実際に計算してみます。※地支には()内に蔵干を書き入れました。

天干のみの力量

0
0
4
6
0

このようになります。水旺ですが、天干に水の干はないため当然0。木と火の干もないため0です。土と金は2つずつありますが、金は休令であり2x3=6、土は囚令のため2x2=4となっていることに注目してください。どうですか?とても簡単ですね。

中途半端で恐縮ですが、地支の計算は長くなりそうなので、ここで一旦区切りたいと思います。続きは次回の記事をお読みください。