四柱推命旺

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歳運によって日干強弱が変化する命式と変化しない命式の判断方法

今回はタイトルの『歳運によって日干強弱が変化する命式と変化しない命式の判断方法』をできる限り分かりやすく解説してみたいと思います。

そもそも日干強弱や喜忌が変化するということ自体を認識していない占い師もいるかとは思いますが、前回の記事でも紹介したとおり、日干強弱を正しく見極め、その上でさらに歳運との関係も正しく見極めないと、正しい結果が得られないという現実があります。

このため、何度も言うようですが日干強弱と歳運動向の見極めは大変重要な事柄になります。

日干強弱が変化しやすい2つの命式パターンとは?

日干強弱が変化しやすい命式には、大きく分けて2つのパターンがあります。早速、大運や流年運によって日干強弱が変化しやすい命式の特徴について一つずつ見ていきましょう。

1. 日干強弱が平強・平弱程度の命式

一つ目は日干強弱が強くもなく弱くもない命式です。私の場合は、日干強弱を平・小・中・強と4つ程度に分けて考えていますが、そのうち平弱・平強に分類される命式になります。

※ちなみにこのように分類しない占い師もいますが、それだと喜・忌の度合いも分からないことになりますので、ご注意ください。私の場合は日干の力量を数値別に分類し、-10~+10程度を『平』としています。

以下、実際の命式をご覧下さい。

天干
地支

上記命式は日干・癸水で月支・戌・土旺のため死令ですが、相令の金が強く、若干身強と判断できる命式です。特に日干と近い月柱の金干支、日支の亥水が日干を生助・幇助するため、身弱とは判断できません。

しかし日干は死令であって、わずかに+5程度の力量ですので、大運干支によっては日干が身弱となる可能性があります。以下は、上記命式が身弱となる大運の一例です。

  • 【丙午】:午が巡ることにより、午・戌・午の火局三合以上となり、一転して身弱となります。この時期は、喜神が金・水、忌神が土・火・木となります。
  • 【甲寅】:地支の寅は固有根ですが、火を生じます。また天干の甲木が庚金を無力化するため、若干身弱となる大運です。

このように、原局における日干強弱が平弱・平強程度の場合は、歳運によって日干強弱と喜忌が変化する可能性があるため、注意深く歳運動向を観察する必要があります。

ただし上記のような不強・不弱の命式は、元々五行バランスが良い傾向があるため、大忌にはなりにくい傾向があります。

2. 方合・三合(半合)欠けの命式

方合や三合を形成する地支の一つが欠けている命式も、日干強弱が変化しやすいです。この場合は、先ほど紹介した日干強弱が平弱・平強程度のものよりも、極端に変化しやすい傾向があるため、運勢も極端に変わりやすいのです。

まずは、三合欠けの命式です。前回の記事で半合の方は紹介しましたので、今回は三合です。※ちなみに前出の命式も三合欠けでしたが、亥が寅と合するため、三合は成立しません。

天干
地支

上記は日干・丙火であり、月支・巳の旺令で身強です。しかし、ここに酉が巡ると巳・酉・丑で金の三合が完成し、金の力量が30程度となり大過します。これにより日干は弱となり、喜神は木・火、忌神は金・土・水となります。

なお午・子が冲去していますので、酉が巡り三合が起きると日干は無根となり(巳を失う)、一気に中弱程度の弱さになるため、大きな波乱期となる可能性があります。金は財干ですので、財干に関する憂いがあるでしょう。

ちなみに火の方合欠けもありますが、未が来ても子が午を冲するため火の方合は起きません。

次は、方合欠けの命式です。

天干
地支

上記は日干・己土であり、月支・寅・木旺(死令)、命造全体としては木が最強となり、日干は小弱の命式です。地支は火の方合を形成する巳・未がありますが、午が無い状態です。この時点で火の力量は10程度。

しかし、地支に午が巡ると、子水がないため方合が成立し、一気に火の力量が30以上となります。このため日干は身強へと転じ、喜神は金・水、忌神は火・土・木となります。上記命式は時柱が【壬申】のため救神があり、大忌とはなりませんが、姓名構造によっても波乱の度合いは変わってきます。

ただし、もしそこへ流年で【甲寅】などが巡ると、火の力量が40を超えるため、命に危険なあるような時期となります(姓名が【水・金・土】などの場合は大災なし)。

日干強弱が変化しない(しにくい)命式

また日干強弱が歳運によって変化しにくい命造とは、日干が弱すぎるか強すぎる命式の人です。特に中弱以下・中強以上の場合は稀な場合を除いてほぼ変化することはないと考えて良いでしょう。従旺格など極強の場合は、日干弱になることはあり得ません。以下に例を載せておきます。

天干
地支

上記は中強の命造です。日干の力量が35程度あるため、たとえもし木の方合が起きても日干弱に転換することはありません(火の方合も同じ)。むしろ日干が強すぎるため、強い木でないと有力な財運が得られないという運勢です。

天干
地支

しかし上記小強程度の場合は、日干の力量が16程度のため、木の方合ができると土が木に負けてしまい、身弱となります。上記の場合は、天干に薬となる有力な庚金があるため強い木もそれほど忌みませんが、木の力量が30程度になると忌神になり、体調不良等が起こりやすくなります。

姓名構造によっても喜忌は変化する?

姓名構造が先天運における日干強弱や、喜忌に影響を与えることは常々語っているとおりです。

したがって先ほど紹介した特定の五行の大過においても、特に大きな災いや波乱はなかったという方が出てきます。そしてそのような方の姓名には、決まって喜神(その時の)を有しているのです。

その詳しい点いついては虎の舞の方で解説していますが、単純に言うと特定の五行が大過しても、以下のような姓名構造であれば難を逃れるどころか、むしろ喜を発揮している方さえおられます。

  • 木の大過:金・土を中心とした姓名構造(特に強い金があると吉)
  • 火の大過:水・金を中心とした姓名構造(特に強い水があると吉)
  • 土の大過:木・水を中心とした姓名構造(特に強い木があると吉)
  • 金の大過:火・木を中心とした姓名構造(特に強い火があると吉)
  • 水の大過:土・火を中心とした姓名構造(特に強い土があると吉)

つまり、非常にややこしくなりますが、姓名構造によって喜神運でも忌神運でもその吉凶の度合いが変わることになるため、常に姓名を頭に入れて運勢を読むことも重要となります。