四柱推命旺

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武田考玄氏語る【特別な見方をする実例】における従児格の姓名について

今回は先天運と姓名の関係性についてお話をしたいと思います。虎の舞のほうでも、私は常々先天運と姓名の五行バランスが重要だということをお話しているのですが、今回は特別な見方をする命式、つまり【従格】となる方の姓名をどのようにすべきか?という非常に重要な問題についてです。

なぜ従格の方の姓名構造が重要な問題なのかというと、従格には破格という現象が起こるからです。大運によって破格・変格が起こると、当然喜神・忌神も変化するため、普通格局に人のように原局の五行バランスや喜神・忌神を考慮して命名するという原則が通用しないためです。

通用しないと言いますか、従格の方の姓名に喜神を多く配すると、破格となった時に原局・姓名ともに忌神だらけとなり、生命力の著しい低下が起こるため、普通格局のような方法で命名を行うことは危険だからです。

そしてこのような私の考え方を、実際にそのまま説明してくれている著書が偶然ありましたので、今回はそれを例として解説を行いたいと思います。

武田考玄氏【姓名学入門】より『特別な見方をする実例』について

武田考玄氏【姓名学入門】という著書に、『特別な見方をする実例』という項目があり、以下に引用していきたいと思います。

猪俣公章 昭和十三年(1938年)四月十一日寅刻 福島県生

天干
地支

大運

  • 8才~18才 丁巳
  • 18才~28才 戊午
  • 28才~38才 己未
  • 38才~48才 庚申
  • 48才~58才 辛酉

姓名

猪俣公章

天格・20・癸水、人格・13・丙火、地格・15・戊土

まずは冒頭の原局・大運・姓名から示しました。なお姓名につきましては、武田氏は三才しから取らないため、天格・人格・地格のみの表示となっています。※また、私の判断では『猪俣』は22・乙木となりますが、武田氏は画数をそのまま数えるため20となっています。

日干癸水、辰月木旺に生まれ、日干が生じる五行が旺じています。天干に変化はありませんが、辰酉合去します。

日支に日干を生じる金がありますが、辰酉合去して共に無作用となるため、日干強となる条件は一点もなく、日干は大変弱いことになります。さらに、日干を生じる五行もありませんので、特別な見方の「仮」に該当することになります。したがって、

喜 木火土

忌 金

となり、水は喜とも忌とも言い難いことになります。

ここまで、武田氏による原局の解説を見てきました。つまり、日干癸水であり、辰月木旺の生まれであって、なおかつ普通格局となる条件から外れるため、従児格(仮)に分類される命運であるということです。さらに、姓名の解説が続きます。

姓名を見ますと、姓は癸水ですが、この癸水は人格が丙火であるため滅力し、大運第一運丁巳の喜をやや減じる程度です。第二運戊午となり、第三運己未、甲木生丙の喜を人格の丙火がさらに強化。これは次の庚申運を剋する丙火ですが、特別な見方の「仮」ですから、実は、庚申運は普通の見方をすることになり、喜は金水、忌は木火土と変わります。ところが、地格が大忌の戊土となっているのです。

つまり、庚申・辛酉運は、原局の相令の丙火より剋金され、金の忌象(がん・骨・腸・肺)を予知・予防すべきであったし、姓名も癸壬壬に変えるべきであったのです。

ここまでで武田氏は、猪俣公章氏は従児格であり、大運庚申(38~48才)の金旺運からは命運が変わり、喜神は金水、忌神は木火土となるため、これまでの姓名のままであれば大忌を発することになると言われているのです。ここが、普通格局の方の姓名作用と、従格の方の姓名作用の、決定的な違いになります。続きを読んでみましょう。

ご存知のように丙午年大ヒットを飛ばし、続々とヒット曲を発表して名声を上げていくことになったのです。しかし、命運、さらに姓名が示す如く、55才癸酉年ガンにて死亡されたのです。

つまりこれもまた、特別な見方をする間は実に良好な中年運、人格丙火であったものが、普通の見方となる晩年運において、地格の忌の戊土を生土してさらに忌を増長せしめる結果となり、夭折することになってしまったのです。”生命エネルギー”の良い間は姓名も良好であったが、”生命エネルギー”が悪くなた時期には姓名も大変悪くなっている、という例と言えるのです。

ここでこの項目は終わります。つまり、従格の場合は大運によって破格が起こるため、姓名もそれに対応させたものでなければならないということを言っているのですが、誰しも大運が破格期の時のみ改名するということはなかなか困難ですし(そもそも破格期を知らないと対応ができない)、命名の場合、もし前半生の大運に破格期がある場合は、喜神を重くみることは当然危険となります。

このため私の考えとしては、従格においては、常に『姓名には破格期の喜神を活かす』ということを重要視しています。このようにすることで、姓名には当然従格における忌神が入るものの、破格時においては喜神のエネルギーが活きるため、人生において波乱が少なくなるのです。

そこで問題となるのは、『通常時(従格時)において、姓名に忌神が入ることは問題とはならないのか?』ということだと思いますが、これについては次回木村拓哉さんの先天運と姓名を例に、解説を試みたいと考えております。