四柱推命旺

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成功から一転してどん底となる命運について~尾崎豊さんの命式を元に解説

今回は、大成功の後急遽波乱のどん底に陥ったり、あるいは急死したりする人は果たして運勢が良いのか悪いのか?という疑問についてお答えしようと思い、この記事を書いております。

それは、運勢がとても良い状態(調和した状態)から一転して悪い状態(アンバランスな状態)になるという運勢の流れに起因しています。

そしてそのような命運の特徴を、これから尾崎豊さんの命式を元に解説していきたいと思います。

尾崎豊さんの命式解命

以下に尾崎豊さんの命式と解命結果を示します。時柱は以下のサイトの情報を元にしております。 【出生時間の分かる有名人まとめWiki】

天干
地支

以上は、1965年11月29日05:45 東京都生まれの命式です。日干は丁火であり、月支・亥月・水旺の生まれです。早速以下に解命結果を出してみます。

  • 日干強弱: 定め難いが、一応身弱。地支の卯・亥局半合、亥・巳の冲去によって原局においては日干やや強となるが、このような命式は合・冲が解けると一転して身弱となるため、基本は身弱として解命するほうが無難。
  • 喜神: 木・火
  • 忌神: 金・水
  • 閑神: 土
  • 調候用神: 火

となります。要点はやはり地支の合・冲であり、二つの合・冲が並んでいるため、比較的解合・解冲が起きやすい命運と言えます。そしてこのような地支の構造(合・冲が多い)こそが、一転して波乱となりやすい命式・命運の特徴なのです。

それでは次に、すべての大運の地支による、解合と解冲の様子と、日干強弱の様相を見ていきましょう。

尾崎さんの命式は、どの地支で解合・解冲するのか?

上記で大運の地支と言いましたが、流年運の地支でも当然同じです。しかし、原局との作用では大運の関わりがまず先にきますので、この点に注意が必要です。

地支原局との関係日干強弱
解合・解冲なし平強
解合・解冲なし平強
卯・亥を解合、亥・巳を解冲、全地支固有根小強
亥・卯木局半合以上
解合・解冲なし小強
亥・巳を解冲小強
解合・解冲なし
亥・卯・未木局三合
亥・巳を解冲小弱~中弱
卯・亥を解合、亥・巳を解冲、全地支固有根小弱~中弱
卯・亥を解合小弱
卯・亥を解合、亥・巳を解冲、亥・卯木局半合以上小強

と、このようになります。このように見てくると日干が弱となる時は少ないように思われますが、原局において平強程度ですので、強と言ってもやや強という程度です。そして、大運に金の地支である申・酉・戌が巡る時は必ずいずれかの合・冲が解かれ、日干が弱となることが分かります。

つまり、尾崎さんの命式は、大運や流年に金の地支が巡ると、一転して運気が不安定となることが分かります。これを元に次は、尾崎さんの実際の大運を追ってみましょう。

尾崎豊さんの歳運動向と忌神の強弱

これより、7才の第一運から、死亡時の大運までを示します。

第一運【丙戌】7才~
地支に戌が巡り、卯・亥が解合します。このため地支は戌・卯・亥の三支となり、日干は身弱となる時期です。しかし戌は、解合して強となった水を制しますし、なおかつ天干に丙火があらわれ水を温めますので、著しく身弱とはなりません。このため生命力は概して強い時期で、波乱ありながらも発達していきます。※なお流年運の起伏については省かせていただきます。
第二運【乙酉】17才~27才
酉は卯と冲、そして巳と合しますので、全地支が固有根となる時期です。酉によって水が強化されますし、解合して木のエネルギーが半減したため、日干は小弱程度となります。しかしながら、大運と原局の関係のみでは日干小弱程度ですし、原局になかった財の金が巡るため、財と社会的地位を司る位相は高い状態です。つまり、この段階では印の木、比劫の火、財の金、官の水という四つの五行のバランスがほど良く、現に尾崎さんはこの大運期に大きく成功しているのです。

流年、一転して波乱となる

そこで、さらに尾崎さんが死亡する前後の流年運を見ていきましょう。尾崎さんは死亡する以前にも覚醒剤での逮捕や疲弊など肉体的にも精神的にも波乱がつきまとっています。

1988年【戊辰】
戊・辰ともに陽土ですが、辰は湿土のため火の気を奪い、忌神運と言えます。精神的にも火が弱まるため不安定になりやすく、何かとうっとうしい出来事が多いでしょう。しかし、辰は木を蔵するため著しく悪くはなりません。この年、覚せい剤取締法違反で起訴され、初の武道館ライブが幻となっています。また、5月には結婚しています。
1989年【己巳】
巳火は固有根です。火の生助があり、安定した時期となります。経歴には『7月24日、長男・尾崎裕哉が誕生』とあります。
1990年【庚午】
午は強い火であり、固有根となりますので、日干の強弱バランスが適切となります。喜神運ですので、安定した年となるでしょう。印・比劫適切ですので、精神的にも落ち着いています。実際に経歴を見ても、『5枚目のオリジナル・アルバム『誕生』(2枚組)を発売、12月19日、個人事務所・ISOTOPE(アイソトープ)設立(ウィキペディア)』など、目立った事件はありません。
1991年【辛未】
未は土ですのでこの時忌神ですが、躁土のため水を制し、強まる水を防ぎます。しかし、天干の辛金は水を生じるため、喜忌定め難い流年運となります。水が強まる後半は波乱もあるでしょう。この年の経歴を見ると、『雑誌『月刊カドカワ』での対談がきっかけとなった女優・斉藤由貴との不倫が発覚。その後10月に別離したことが報じられる。10月30日、代々木オリンピックプールにてライブを行う。結果的にこれが生涯最後のライブとなった。生前最後に歌った曲はオーディションでも歌われた「ダンスホール」。12月29日、母親が急死。』など、悪いニュースもあることが分かります。ちなみに母親は印(木)ですので、これは印が急激に弱まったことに起因しています。
1992年【壬申】
そして問題(死亡)の流年です。これまでまずまず日干のエネルギーは弱に傾くといえども大過せずにいましたが、申が巡ることによって、なんと地支の巳と合去してしまいました。すると日干は無根となり、中弱以上へと陥ります。なおかつ天干に壬水が巡り、水のエネルギーがさらに強まって日干を剋します。この時の水の力量は20を上回り、なおかつ火のエネルギーがわずか5程度しかないため、一気に日干が弱へと傾いたことが分かります。また死亡した月は4月辰土ですので、とても日干が弱り、自暴自棄となっていたことも頷けます。

以上で、尾崎さんの大運・流年の様相が少しは分かっていただけたでしょうか。もしこれを原局において日干強と判断していたとすると、大運に巡る金や水は喜神だという誤った判断をしていたかもしれません。日干強弱は常に変化するものですが、特に合・冲の多い命式は、大運・流年の干支によって日干強弱が一気に変化する可能性があり、注意深く見ていく必要があります。

また、歳運の喜忌をうかがう場合は、原局・大運・流年の干支を総合して見る必要があります。単純に喜神が巡っているとか、忌神が巡っているといって合や冲を見ないと正確な判断はできませんので、ご注意ください。

なお尾崎さんは解説したように活躍していた時期は忌神運にいたため波乱が絶えませんでしたが、その後30代後半から喜神が巡っていたため、その後の活躍を思うと死が惜しまれます。