大宮エリーさんの命式解命と喜神・忌神
今回は先日虎の舞でも記事を書いた大宮エリーさんの先天運を観察してみたいと思います。例の如く三柱での判断ですので大運動向もあわせて読み、格局と喜神・忌神を推定します。
大宮エリーさんの命式と日干強弱
早速大宮さんの命式を見てみましょう。大宮さんの誕生日は1975年〈昭和50年〉11月21日(ウィキペディア)とあります。
天干 | ? | 辛 | 丁 | 乙 |
---|---|---|---|---|
地支 | ? | 未 | 亥 | 卯 |
大宮さんは日干・辛金の月支・亥月・水旺の生まれです。ご覧のように地支においては、亥・卯・未と木の三合を成す地支が揃っており、なおかつ天干においても官・財のみの命式ですので、はじめに特別格局を疑うべき命式です。
三合成立時の五行それぞれの力量を見てみましょう。
- 木:28
- 火:1
- 土:0
- 金:3
- 水:0
となります。ポイントはあくまでも旺令は水であり、財(木)は相令であることです。したがって特別格局である場合、従財格的従児格、もしくは従勢格となります。
ちなみに食傷の水がなく、財ばかりの命式で従格となり得るのか?については、成り得ます。その場合は従財格とは判断できないため(財が月令を得ているわけではないため)、従勢格と判断します。
そしてご存じのとおり従児格や従勢格の場合、喜神は水・木・火、忌神は土・金となります。また特に重要なポイントとして、三合によって従格が成立する場合は、大運・流年干支によって解合が生じる可能性があります。つまり格局変化が激しく、喜神・忌神が逆転する現象が頻繁に起こります。このため、虎の舞でも解説したように姓名についても厳密さが求められるのです。
大宮エリーさんの大運動向
とはいえすぐに特別格局とは断定できないため、大宮さんの大運動向を読みます。格局の変化する可能性ついて注目してください。
1991~2001【己丑】
三合(木)成立している場合、丑は未と冲の関係にありますので、三合が解けて丑・未ともに固有根となり、普通格局(正財格)となる時期です。また元々普通格局である場合は、喜神運であると判断できます。
この時期は大宮さんが学生時代~電通に入社後の時期であり、順調とは言えないまでもこれまでの成功へとつながる階段を昇り始めた重要な時期と言えます。
【己丑】は従格の場合は忌神運(破格)ですが、天干・地支ともに生金作用のある己をもつため、決して悪い運ではありません。なぜなら、たとえ従勢格であったとしても、地支においては丑・未の二支による生助があり、天干においても己土の生助を受けるためです。
大宮さんは東京大学に一浪して入学し、卒業後は電通に入社してコピーライターとして従事しています。
2001-2011【庚寅】
寅の木旺運です。木旺運は正財格(身弱)であれば明らかな忌神運。従勢格であれば財が旺じる喜神運と見分けやすい大運です。そしてこの頃の事象はどうかというと、
『2006年に独立し、個人事務所である大宮エリー事務所を立ち上げる。同年、初監督作品であるショートムービー『海でのはなし。』がヒットした。(ウィキペディア)』
『2010年6月29日に、はんにゃのピンチヒッターとして初の『大宮エリーのオールナイトニッポン』を放送。2010年9月16日、ナインティナインのピンチヒッターとして 2回目の放送。2回の単発放送を経てレギュラー化され、2011年1月3日から12月26日まで月曜日のパーソナリティを務めた。』
またこの時期に多くのテレビCMやミュージックビデオの制作(演出)に携わっていたようです。
上記から、明らかに財の喜象があらわれていることが分かります。したがってこの時点では、従格である可能性が高いと判断できます。
2011-2021【辛卯】
この期間は財の旺支である卯が巡り、前運よりさらに財(木)の力量が増します。したがって前運同様、正財格(身弱)であれば忌神運、従勢格であれば喜神運となり、見分けやすい大運と言えます。この時期の主な事象は、
『2012年2月3日から2月27日まで、渋谷のPARCOミュージアムにて初めての個展「大宮エリー「思いを伝えるということ」展 造形と言葉のインスタレーション」が開催された。』
『2021年8月16日、マセキ芸能社との業務提携を発表した』
『2022年7月にカードの不正利用に遭うも、8月に全額を取り返すことができた[17]。この年、瀬戸内国際芸術祭2022の参加作品として犬島(岡山市東区)に作品「フラワーフェアリーダンサーズ」を設置。島に咲いていた花をモチーフにした高さ2メートルの立体作品。』
またこの時期にはテレビドラマの他、多くの書籍を出版しています。すなわち財の喜象があらわれており、ここでも財が喜神と判断できる、つまり従格の可能性が高いことが分かります。
2021-2031【壬辰】
死亡時の大運です。ポイントは辰は前半4年木旺、後半6年土旺ということです。したがって従格であれば、前半の2021-2024年は喜神運、後半の2025-2031年は忌神運になります。ちなみに普通格局である場合は、逆の前半忌神、後半喜神となります。
『2025年4月23日、病気のため、死去。49歳没。生涯独身だった』。既に気付かれたことと思いますが、ちょうど大宮さんが死亡した年が大運の旺相死囚休の切り替わり時期だったということです。
すなわち、辰の土旺運に入ってすぐに死亡したという事象のみを考えると、やはり従格である可能性が高いと考えることができます(正財格の場合、辰の土旺運は喜神運です)。
そこで辰の作用についてもう少し詳しく見てみましょう。大変重要なポイントとして、1991~の丑運とは違い、辰運は木の三合を解合しません。その結果、従格の場合は辰が来て正財格に戻るものの、木の三合は成立したまま、という現象が起こります。つまりこの場合は財が強い状態であり、財の忌象も強く出やすいのです。
加えて、【己丑】運とは違い、【壬辰】運は天干の壬水が木を生じる、という作用が働きます。その結果、壬水が木をさらに強化するという忌の作用が強まります。これらのことを総合して考慮した結果、大宮さんは従児格もしくは従勢格である可能性が高いと判断しています。
また上記の現象に加え、姓名判断の虎の舞で解説したように、総じて大宮さんの姓名には木(財)・火(官)が多く、普通格局時の忌神が多く入っていたことが特に健康運に対して問題(忌神の作用を強める)になったと考えています。
したがって、大宮さんのように格局が頻繁に変化する命式においては、普通格局時の喜神を旺盛とすることが必要となるのです。