四柱推命旺

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【大坂なおみ選手がうつ病を告白】うつ病に関する先天的暗示とは

今回は最近うつ病に悩んでいることを告白した、テニスの大坂なおみ選手の命式を例に、うつ病に関する先天的暗示について解説をしてみたいと思います。

以前にも解説しましたが、五行の生剋名において、精神・思考・インプットを象徴するのが『印』です。このため、うつ病というのは明らかに『印』と関係がありそうです。

早速大坂選手の命式を例に、それが本当かどうか確かめてみましょう。

大坂なおみさんの命式と喜神・忌神の推測

先ほどもご説明したように、精神を象徴するのは『印』です。これは、印が日干を生じるという作用をもつためです。このため、精神の不安定は印の不安定(アンバランス)としてそのまま表現されるのです。

以下は、1997年10月16日生まれの大坂選手の三柱です。

天干
地支

大坂選手は日干が辛金。月支は戌の金旺の生まれ(土旺ではない)で、日干が月令を得ています。ここで間違いやすいのは、日干が金の場合、月令を得るのは申か酉だけだと思ってしまうことです。戌月は、土旺の時期までは金旺ですので、10月16日(金旺)生まれの大坂選手は月令を得ているのです。

日干・辛金であり、月令を得ていますし、なおかつ丑土や庚金がありますので、日干は強い状態であることが分かります。身強はほぼこの時点で確実ですが、一応三柱における五行の力量を数値で見てみましょう。

五行力量
2.0
2.7
5.0
18.3
1.3

このようになっており、やはり金が突出して強いことが分かります。しかし、地支においては卯と戌が支合の関係ですので、もしこれが合去する場合は木・土ともにマイナスとなります。

とはいえ日干が月令を得ていて土や金の生助もありますので、身強となる可能性が非常に高いと言えるでしょう。もし日干が強である場合は、健禄格ですので喜神は水・木・火。忌神は金・土となります。次は、大坂選手の事象をうかがい、これが本当かどうか確かめていきましょう。

大坂選手の成功と喜の大運

それでは、これより大坂選手のこれまでの大運を一つ一つ観察していきましょう。

第一運【辛亥】7歳~17歳

まず、大坂選手の大運・第一運は7歳から発しています。これは【辛亥】でした。時柱が不明のため原局との作用における正確な合・冲が分かりませんが、亥は水旺ですのでもし身強であれば喜の大運となる可能性が高いです。

この大運は2005年~2015年でした。そこでウィキペディアの経歴をうかがってみると、『2006年フロリダ州に移住し、ペンブロークパインズの公共コートで練習した。2007年8月、全国公共公園テニス協会選手権で大坂まりとの14才以下女子ダブルスで優勝した。また14才以下のフロリダ選抜に選ばれた。2008年ヨネックスとスポンサー契約を結んだ。』とあります。順調そうです。

さらには、

プロツアー出場資格が得られる14歳になった2011年10月、ITFサーキット「モンテゴ・ベイ大会」でデビューした。以降厳しい環境を求めてジュニア大会には目を向けず、ツアー下部大会に出場した。

2013年6月ITFサーキットエルパソでサナズ・マランドに敗れたが準優勝。9月、プロに転向した。

2014年6月飛び級で高校を卒業した。7月バンク・オブ・ウェスト・クラシックで初めて予選を突破し本戦出場。1回戦で対戦した2011全米オープン女王のサマンサ・ストーサーに2-1で勝利。最速193km/hのサーブで大番狂わせを演じた。

2015年5月カンガルーカップで鄭賽賽に敗れ準優勝した。10月試合制限解禁の18才になる。WTAファイナルズのライジング・スター・インビテーショナルに出場。キャロリン・ガルシアを下し優勝した。11月WTA125Kシリーズのフワヒン選手権でヤロスラワ・シュウェドワに敗れるも準優勝した。年間最終世界ランキングは144位。

とあり、順調な発達を見せています。もちろん流年運による起伏がありますが、概ね良好な境遇となっていますので、水が喜神である可能性は高いと言えるでしょう。さらにその先を見ていきましょう。

第二運【壬子】17歳~27歳

大坂選手は現在23歳ですので、この大運は現在の大運ということになります。それは【壬子】であり、天干・地支ともに水がある大変分かりやすい大運となっていました。

つまり、水の強い大運ですので、もし水が忌神であれば強い忌象があらわれる傾向となりますし、反対に水が喜神であれば喜ばしい出来事が起こっているはずです。

そこでこれまでの経歴をうかがってみると、記事が長いためタイトルのみ抜粋させていただきますが、

2016年 【丙申】 グランドスラムでの躍進、トップ50入り

2017年 【丁酉】トップ10に初勝利

2018年 【戊戌】プレミアマンダトリー、グランドスラム初優勝

2019年 【己亥】全豪オープン初優勝・世界ランキング1位

2020年 【庚子】2年ぶりの全米優勝

2021年 【辛丑】2年ぶりの全豪オープン優勝

とこのように、大きな成功を見せていたのです。これでもう大坂さんが身強であり、喜神が水・木・火であることは明白と言えるでしょう。つまり【壬子】という大運は、日干が辛金で身強の大坂選手にとっては、最も活躍が期待出来る大運であるということです。

というのも、日干・辛金の金強の人にとっては食傷(水)が用神となるためです。食傷は才気煥発を象徴するものですので、これは自身の才能を思う存分発揮して成功するという暗示があるのです。

大坂選手がうつ病を発した時期に印がアンバランスとなる

ところが、そんな成功の裏側で、大坂選手は苦悩していたことが表明されました。なんと2018年より、うつ病に悩んでいたということです。

そこでこれまでの流年運をうかがってみると、2018年は【戊(土)戌(土)】と、強い土が巡ってきていることが確認できます。そして土は大坂選手にとっての印であり、忌神でした。つまりこの時、印の土が強い金をさらに生じ強めることにより、日干のエネルギーは大過、つまり苦悩の暗示となったのです。

この時、大運は依然【壬子】と水の良い流れを受けるため成功運概ね順調となるも、やはり流年による強い土の影響で精神面が不安定となっていたのです。

ちなみに【戊戌】という流年運は、6月頃までが金旺であり、その後は土旺の時期となりますので、うつ病を患ったのは2018年後半の可能性が高いこともこれから分かります。

さらにその後の流年運を追ってみましょう。

2019年は【己亥】と、地支に亥水が巡ってきており、強まった金のエネルギーが水へと流れるため、精神的には少し落ち着きます。さらに2020年の【庚子】は、金・水のエネルギーが通じるためより吉。しかし2021年【辛丑】へと入り、再び土が巡ってきました。

そして丑は6月頃まで水旺、その後土旺となりますので、ちょうどうつ病を告白した現在は大坂選手にとっての印である土が強まりはじめた時期なのです。つまり、やはり印の土がアンバランスな状態になると、この時精神も同じように不安定になるということがお分かりいただけるでしょう。

このように印に強く左右されている事象から、おそらく大坂選手は時柱にも土がある命式ではないかと推測しています。

なお、来年2022年は【壬寅】と喜神の水・木が巡るため、今年の後半頃からまた元気に活躍する姿を見せてくれることでしょう。

ちなみに印を忌む場合は、日干が強ければ強いほど悪く、精神も不安定になりやすいタイプです。特に印強で印を忌む人は、少なくとも姓名からは印を遠ざけることが吉となります。