四柱推命旺

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ドナルド・トランプ氏の日干強弱と喜神・忌神

今回は実例判断ということで、現在アメリカ合衆国の大統領選において大変話題となっているドナルド・トランプ氏の解命を行ってみたいと思います。

トランプさんの時柱は分かりませんが、誕生日は『1946年6月14日』であることが分かっていますので、この情報からある程度は命運の推測ができます。早速見ていきましょう。

ドナルド・トランプ氏の六柱判断

以下は『1946年6月14日』の命式です。

天干
地支

以上がトランプさんの命式です。幸いなことに、トランプさんの命式は時柱がなくても格局と喜神・忌神がすぐに判明する構造です。なぜなら格局判断の原則において、『印が月令を得る場合は必ず普通格局となる』からです。

日干は己土であり、月支は午(丙司令)ですので、格は普通格局の印綬格であることが分かります。午の蔵干本気は丁(偏印)ですが、トランプさんは6月14日生まれの丙司令ですので、丙を取って印綬格となります。

ドナルド・トランプ氏の日干強弱は身強

つづいて六柱における五行のエネルギー量を出してみましょう。以下の表をご覧ください。

五行力量
4.0
21.7
12.0
0
0

ということで、火が断然強いことが分かります。そして次に強いのは土であり、火・土ともに日干を生助する五行ですから、身強であることが分かります。

ちなみに『四柱推命は時柱が分からなければ半分も分からない』などと言っている人がいますが、そのような人は日干強弱の出し方と格局判断の原則をきちんと理解していないと言えるでしょう。なぜなら、時柱が不明でも格局が判明する命式もあればそうでない命式もあり、また日干強弱についても時柱なしで判明する命式もあればそうでない命式もあるからです。

日干の強弱については、数値による厳密な判断を行うことにより、時柱が不明でも日干強弱が確定するのか、それとも時柱が分からなければ日干強弱が確定しないのか、ということが自ずと分かります。それでトランプさんの場合ですが、たとえば日干を剋す木が最も強い時間帯に生まれたとしたらどうでしょうか?

天干
地支

卯と未結託しそうですが、午の存在により合なし。よって木のエネルギーは10程度。それに対して印の火は30あるため身強です。さらに、それでは水旺時刻(夜)の場合はどうでしょうか?

天干
地支

火旺の季節ですので、亥の時刻生まれであっても水は2.7程度。対して火は21.7ほどありますので、この場合も変わらず身強です。つまりトランプさんの命式は『何時に生まれても身強』なので日干強弱は確定。そして印が月令を得ることにより格局も確定ですので、時柱が分からなくても喜神・忌神は明らかとなるわけです。

ドナルド・トランプ氏の命式解命結果

それでは以下にトランプさんの解命結果をまとめましょう。

  • 日干:己
  • 格局:印綬格
  • 日干強弱:身強(中強以上確定)
  • 用神:壬水
  • 喜神:水・金
  • 忌神:火・土
  • 閑神:木(特に甲木は忌神寄り)
  • 調候:壬水

このようになります。トランプさんの場合はどのような時間帯に生まれても火最強となるようですので、用神も壬水で確定です。火強忌神の場合は、癸水では弱く火を弱めることがなかなかできません。このため壬水が用神です。

喜神は用神の水と、水を生じる金です。忌神はもちろん火と土。そして官の木ですが、印が最忌神となる場合は閑神となります。特に火強の場合、甲木は発火作用がありますので、忌神同様に忌むことがあります。特に地支に巡る寅は火も含みますので、トランプさんにとっては困窮を暗示します。

また調候は火旺のお生まれなので壬水です。火が大変強いため、水がなければ発福することはあり得ませんので、恐らくトランプさんは水の時刻(あるいは天干に水あり)のお生まれであると推測できます。そして大運にも水が巡る時期が発福期であり、さらに水はトランプさんにとっての財干ですから、水が財運を左右することになります。

しかし結果だけを見せられても「本当か?」と疑っている方もいるかと思いますので、以下で少し検証を行ってみましょう。

ドナルド・トランプ氏の大運と事象

幼少期から見ていくとちょっと長くなりますので、トランプさんの人生における大波乱期と思われる【戊戌】の少し前の大運から見ていきましょう。情報はウィキペディアを参考にしています。

大運【丙申】17歳~27歳(1964~1974)

地支に申金巡ります。申は庚金と壬水を蔵しますので、トランプさんにとっては大変良い時期となります。ただし天干に丙火が巡っていますので、火剋金の情あり、本格的な喜神運とはなりません。申金は食傷ですので、能動的かつ活動的な時期であり、それによって財を獲得していく時期です。

ウィキペディアには『1971年に父親の不動産事業を引き継いでトランプ・オーガナイゼーションと改名し、クイーンズとブルックリンからマンハッタンに事業を拡大した。同社は高層ビル・ホテル・カジノ・ゴルフコースなどを建設・改装したりしていた。トランプはその後、主に彼の名前をライセンスすることによって様々なサイドベンチャーを開始した。』

1971年は【辛亥】の流年運でした。天干・辛金、地支・亥水により食傷生財となりますので、能動的な活動によって財を得る時。この年は次の【壬子】と同じくこの大運の中で最も運勢の強い時期です。どうやら金と水が喜神であることは確かと言えるでしょう。

大運【丁酉】27歳~37歳(1974~1984)

この大運、天干は丁火と忌神ですが、地支は酉金が巡っており、日干の気が金に洩れています。時支が不明なため合冲については分かりませんが、金が喜神であることは確かなため、活動的かつ前向きな時期となります。天干・地支の干支のみで判断をすると、天干は丁火となり火の勢いが弱まるため、食傷の金のエネルギーが強く、前運よりも活動的となります。財運も好調。

この時期の解説はあまりないのですが、『1983年には、新興のプロアメリカンフットボールリーグであるUSFLのニュージャージー・ジェネラルズのオーナーとなった。』とあります。1983年は【癸亥】であり、天干・地支ともに水が巡っています。大運酉金なので食傷生財であり、財旺の時。

このように、トランプさんにとっては発福に水が不可欠であります。しかし、水が欠乏するとどうなるでしょうか?

大運【戊戌】37歳~47歳(1984~1994)

この【戊戌】は天干・地支ともに強い土であり、これは忌神です。戊土は用神の壬水を剋すため、トランプさんにとっては大変忌む干支であり、また財干の水を欠乏させてしまうため、財運大きく低下します。

ただし、戌の蔵干変化にも注目する必要があります。戌は前半(4年)金旺、後半(6年)土旺ですので、特にこの大運の後半6年(1988年~1994年)が特に大忌となります。実際の事象はどうでしょうか?

まずこの大運の前半においては、

『1985年には、春夏制であったスケジュールをNFLと同じ秋冬制にし、NFLとの合併を目指すよう他のオーナーたちを説得する。だがNFLを反トラスト法で訴えた裁判は実りなく、USFLは1985年をもって消滅することになった。』

『それまでも、自身が所有するアトランティック・シティのカジノまでの間のヘリコプター会社も経営しているなど航空業界にも進出していたが、1989年には、当時経営不振に陥っていた大手航空会社の1つであるイースタン航空のニューヨーク発(ラガーディア空港)のシャトル便路線網を買収して、自らの名を冠した「トランプ・シャトル」を興すなど他異業種への展開を進めた。』

戌の地支であっても、金旺の前半はまずまず好調のようです。しかし、

『また、ニューヨークを代表する最高級ホテルの1つでもある「プラザ・ホテル」を1988年に買収し、買収後はホテル経営の経験のないイヴァナに経営を任せた。』

『しかし、14パーセントという高い利回りの社債の発行を行った上に、回収すら難しい多額の投資を次々と行ったことや、重役3人をヘリコプター事故で同時に失ったこと、経営の専門知識がないどころか、学士号すらないイヴァナへ多くの実権を任せたことで経営が混乱したことなどがあだとなり、1990年にかけて巨額の債務を抱えることとなった。』

『親から回転資金を僅かに受けたものの、1991年にカジノが、1992年にホテルが倒産し、また同年には不採算事業となっていた「トランプ・シャトル」や、鳴り物入りで手に入れた「プラザ・ホテル」も手放すことになった。なおこの前後には、自社にとって不利になる情報を書いたジャーナリストやメディアに対して訴訟を連発した。』

『さらにモデルのマーラ・メープルズとの浮気が発覚しイヴァナとの間で離婚訴訟となった。この際に慰謝料を巡って裁判で泥仕合となりトランプとイヴァナの双方がメディアに情報をリークし合うなど、全米のメディアからの注目を集めた。なお1992年には離婚が成立し、1993年には子供を妊娠したことをきっかけにメープルズと再婚した。』

まさに大波乱という感じですね。そして1994年から喜神運【己亥】へと入ります。

『1994年にこれらの資産を売って借金を減らし遊覧船事業と航空事業から撤退、マンハッタンに所有する物件も多数を中国系の企業に売却した。現在も中国の銀行やゴールドマン・サックス、ドイツ銀行などから多額の借金を抱えている。しかし「トランプ・プラザ」や「マー・ア・ラゴ」など多くの物件は手元に残した。』

大運【己亥】47歳~57歳(1994~2004)

この大運地支に亥水が巡り、調候・用神がともにあらわれます。水は前述のようにトランプさんの発福にとってなくてはならない五行ですから、喜神運です。天干には己土があるものの、陰土は水を剋す力が弱いため、大きな問題とはなりません。

『この様に困難な状況に陥ったものの、トランプはロスチャイルド、ウィルバー・ロス、フィデリティ・インベストメンツに協力を交渉し、成功。これらの肝いりでこの危機を切り抜けた。また、資金調達のために「トランプ・オーガナイゼーション」のニューヨーク証券取引所への上場を行い、約12億ドルの調達に成功した。事業を自ら機関化したのであった。』

『1990年代後半から好景気を背景に復活を成し遂げ、著名な経済誌「フォーブス」が選ぶアメリカのトップ企業400社に再びランクインし、マンハッタンに新たな高級アパートメントを多数建設する他、ラスベガスやアトランティック・シティなどアメリカ中に多数のホテルやカジノをオープンするなど、再び「アメリカの不動産王」としての地位を取り戻した。』

『なおその後「エンパイア・ステート・ビルディング」の50パーセントの所有権を手に入れた。1999年には、イタリア人モデルとの浮気が発覚しメープルズと離婚した。』

大運【庚子】57歳~67歳(2004~2014)

この大運は天干・地支ともにトランプさんの喜神ですので、人生で最も運勢が強い時期です。まさに行動すればしただけの成果が得られる時期であり、財運も旺盛です。これは子が蔵干に二つの水を含むためであり、水が喜神の人にとっては子水が最も吉となります。

トランプさんは2000年代に入り、政治家としての活動を活発化させているようです。また、

『さらに2004年からNBCのリアリティ番組である「アプレンティス」にホストとして登場し、トランプの会社の正社員となるべく番組内で働く出場者に対し「You're fired(お前はクビだ)」と宣告するセリフが人気となった。これにより、かねてからアメリカ国内における知名度が高かったトランプは、その知名度をさらに上げることになった。なお、同番組の出演は大統領選出馬前の2015年まで続いた。』

2005年、スロベニア出身でモデルのメラニアと結婚し、その後息子のバロンを授かった。なおメラニアとの結婚は2020年現在も続いている。』

大運【辛丑】67歳~77歳(2014~2024)

さて問題の現在の大運です。注目は丑の大運というのが、やはり戌と同様前半(4年)と後半(6年)で旺支が変わるという点です。丑の場合、前半は水旺、後半は土旺ですので、土が忌神であるトランプさんにとってはやはり後半(2018年~2024年)が波乱期となります。

ただし丑が戌と異なる点は、水をよく含むということ。加えて大運の天干は辛金ですので、【戊戌】の大運のような大忌とはならないということです。また丑は生金能力が高いため、流年運によっては土旺であっても喜となることがあります。

前半は皆さんご存じのようにアメリカ合衆国大統領に当選するという大変な出来事がありました。そして2016年は【丙申】であり、食傷の金巡り運勢の強い時期でした。2014年~2018年は水旺期ですので、まずまず順調に事が運んでいきます。

しかし2018年から土旺に入るため運勢が低下しはじめます。今年は2020年ですが、土のエネルギーが最も強い時期に入っており、このため何かと波乱が起きやすいでしょう。しかしながら、2020年は【庚子】と金・水旺じますので、なんとか持ちこたえていく暗示があります。それは大運の丑が金を相生し、強まった金がまた子水の財を生じるという、良い気の流れが出来ているためです。

ちなみに選挙区の投票が行われた11月3日は【丙戌】月・土旺ですので、トランプさんにとっては大変ストレスの溜まる時であり、また自分の主張が認められず批判に晒されやすい時です。しかし11月7日から【己亥】の水旺へと切り替わるため、この頃から彼にとって良い方向へ事態が変化していく暗示があります。

ちょうどこの記事を書いているのはアメリカ大統領選挙の混乱の最中です。国内・海外の識者の間では、やがて法廷によって民主党の不正が暴かれ、最後はトランプが勝つといっている人もいますが、もし運気のとおりに事が運ぶのであれば、11月【己亥】水旺、もしくは12月【庚子】水旺には決着がつき、トランプさんが再選を果たす可能性もありそうです。

しかしながら、大運が丑の土旺に入り運勢が徐々に衰えてきていることは確かですので、今後はなかなか順調とはいきません。もし大統領選を勝ち取ったとしても、数々の試練・波乱が待ち受けていると思われます。

次の大運は大忌となる

さらにその後の大運については、77歳(2024年)から【壬寅】へと入ります。干支の五行のみで判断を行うと、水喜神・木閑神なのだからそんなに悪くはないだろう、と考えてしまいそうなのですが、火を最も忌むトランプさんにとっては、寅木は大忌の地支となります。

これは大運と原局によって、午・戌・寅と火の三合が完成するからです。時柱が何かによって三合が弱まる場合もあるものの、それでも寅が火を相生することは絶対ですから、火の大過によって運勢が大きく低迷する暗示があります。健康にも要注意の時期であり、特に心臓(火)の突発的病に注意です。