四柱推命旺

十干と十二支から解命を行う本格的四柱推命の専門サイトです。四柱推命の本質と解命方法を詳しく解説し、ユーザーの皆様の理解を深めていきたいと思います。

蔵干とはなにか

この記事では「蔵干とはなにか?」という蔵干の基本を解説していきたいと思います。というのも、いきなり蔵干理論から説明をはじめると、恐らく蔵干について全く知らない方は多くの疑問を生じることと思いますので、まずは蔵干成立の根拠について解説しようと思った次第です。

これまで天干と地支について解説を進めてきました。すなわち天干は天の気であり、地支は地の気であることから、そのように呼ばれています。そして蔵干とは、そんな天と地との間に生活している人間(生物)が地支の中にあると考えられたことから生まれた概念です。

干とは十干のことです。すなわち蔵干とは、「地支の中に蔵されている(隠されている)干」ということになります。当サイトの自動鑑定ページを見ても分かると思いますが、四柱八字の下に「蔵干」の項目があり、そこに甲や丁などと書かれていると思いますが、それが正に地支蔵干です。

すなわち蔵干とは、季節の移り変わりを示す天の気(天干)と、天の気を受けて万物を生じる地の気(地支)との間に生じるエネルギーの様相を示すものであり、天干と地支の間に生きる生物(人間)を象徴する概念である、と言うことができると思います。

ちなみに以上を三才と言います。つまり天干を天才とし、地支を地才とし、蔵干を人才としたもので、それら三つをあわせて三才と表現するのです。四柱推命では以上の三才をもって命を推し量ることから、三命(さんめい)と呼ばれることもあります。

季節とともに移り変わる蔵干の「気」とは

蔵干には本気・中気・余気といった三つの「気」があります。まずはそれらの気について説明をしていきたいと思います。※地支によっては中気をもたないものもあります。

一つの地支に一つの干が対応するわけではなく、地支は複数の蔵干をもちます。蔵干のそれぞれが本気・中気・余気のいずれかに分類されるのですが、それは季節の移り変わりと大きく関係しています。

余気
蔵干の始めの干。前の地支の蔵干の「本気」にあたり、その余りであることから「余気」と呼ばれる。
中気
余気と本気の中間にあることから「中気」と呼ばれる。
本気
蔵干の終わりの干。その地支において最も強い気であることから「本気」と呼ばれる。

蔵干の気には以上のような性質があり、時干の経過にしたがって旺となる蔵干のエネルギーが変化します。たとえば寅の場合は、まずはじめに戊が旺であり、その次に中気の丙、最後に甲が旺となります。またその時々に旺じる蔵干のことを「分野の干」と表現することもあります。

各地支における蔵干

それでは各地支における蔵干を紹介致します。以下の表をご覧ください。

地支余気中気本気
子(陽)
丑(陰)
寅(陽)
卯(陰)
辰(陽)
巳(陰)
午(陽)
未(陰)
申(陽)
酉(陰)
戌(陽)
亥(陰)

以上をご覧いただくと、地支の本気が次の地支の余気につながっていることが分かるかと思います。申など、地支によっては陰陽が異なる場合もありますが、土の五行であることは同じです。つまり地支蔵干は、季節の移り変わり・連続性を示しているのです。

また、ご覧のように中気がない地支がありますが、それは卯・午・酉・卯の4つです。なぜこれらの地支にだけ中気がないのかというと、卯・午・酉・子の4つの地支は春・夏・秋・冬の四季において最も旺じる地支のため、本気と同一五行の干以外はないのです。つまり午であれば蔵干は火の干のみ、子であれば蔵干は水の干のみです。

地支の横には陰陽を示していますが、蔵干を見ますと、決して陽の地支に陽の干のみ、陰の地支に陰の干のみ蔵されているわけではなく、陰陽にばらつきがあることが分かるかと思います。たとえば亥は陰ですが、蔵干はすべて陽干です。また子・卯・午・酉の四正の地支には、旺じる陰陽それぞれの干が蔵されております。

ちなみに地支蔵干については流派により諸説あります。たとえば午の蔵干はほとんどの流派で「己」を採用していますが、夏の火が最も旺となる季節の蔵干になぜ己土があるのか?というのは非常に疑問であり、また理論的な整合性が取れないため、私は採用していません。